まず、若い人がいない。ある県の高校生の平成28年の大学進学率は44.6%で専修学校を含むと67.7%となり、就職者の割合は29.7%であった。
しかし、1960年ごろの大学短大進学率は30%を下回っていた。50年前には若い人が田舎に沢山いて、都市に進学が少ない時代があり、この頃は貧しいながらも田舎は人で溢れていた。しかし、現在は67.7%の若者が都会に進学している。
田舎の仕事と言えば、農作業や林業の肉体労働、小売業や建設業(大工・電気工事)などであるが、大学で教えるものは高度な内容で、田舎で必要とされる知識と多少異なると思われる。結果、田舎が大学卒業生を雇用できるような仕事(社会)に転換できないと、仕事は少ない訳で、田舎に帰って大学で学んだことを生かせる場が少ない。
しかし、田舎が仕事(社会)の転換を行っても、まだ問題がある。借入型の奨学金の問題がある。
学生時代の奨学金制度の利用状況をみると、若い層ほど「利用した」が多くなっており、34歳以下では「利用した」が 53.2%と、2人に1人が制度を利用する結果となっている。
奨学金の借入総額は、平均312.9万円で、月の返還額の平均は約1万7,000円。ただし、借入総額が「500万円以上」も1割みられ、これらの層では月3万円以上の返還をしている人が4割を占めている。(返済年数平均15年 大学生借入の完了37歳)
34歳以下の人に聞いた奨学金返還の負担感については「少し苦しい」が27.7%、「かなり苦しい」が11.3%で、これらを合わせた「苦しい」が4割近くに及ぶ。なお、雇用形態別で「苦しい」の比率をみると正規でも36.8%、非正規労働者では56.0%と半数を超える。(出所不明)
結果、田舎に帰って奨学金を返せる仕事が安定的にあれば、帰れるが、現状では奨学金を返すために、都会で働かざる得ない人が多いと思われる。
結果、田舎に帰れる人は少なく、マンパワーに乏しい現状では地域への若者定住は思ったように進まない。
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